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NARC ナークのnagarebosiのレビュー・感想・評価

NARC ナーク(2002年製作の映画)
4.5
そりゃレイ・リオッタもプロデュースしたくなるよ。
低予算でありながら、腹にズシンッ!とくる作品。
レイ・リオッタの熊の様な強烈な威圧感に圧倒されつつもジェイソン・パトリックの徐々に病みながらも真実を求める演技がリアル。作品に通底して流れるリアリティは、冬の寒々しさまで切り取る撮影と照明がキレイに見せることを拒むような作り。ロケーションやセットも荒涼と汚なさを大袈裟にせず、色彩を抜いた設計も相俟って、その場に立ち会わせたような感覚。ジャンプカットを巧く使いテンポよく展開させる編集とリズミカルだがどこか不安にさせる音楽。衣装も "らしさ" を求めた結果、地味だが各キャラクターを形成するには必要なだけの説得力を持つ。正義と真実はときに不幸をもたらすストーリーを構築しリアルで迫力ある演出をした当時新人のカーナハン監督の力量は圧巻!
本作はまるで現代版「フレンチ・コネクション」のようなザラザラした感覚。

音楽のクリフ・マルティネスは「トラフィック」や本作のような曲調ばかりと思っていたが「ドライヴ」では80~90年代っぽい曲まで作れるなんて意外!