Adele

ザッツ・エンタテインメントのAdeleのレビュー・感想・評価

2.0
評判通りの華やかさで充分楽しめました
MGM50周年記念ということで、MGMのミュージカルの名場面がたくさん出てくるし、日本未公開作品や流通していない作品の映像が出てきて、その点が自分は嬉しかった

各名シーンや名作品を紹介していくナビゲーターがとても豪華!
シナトラ、リズ・テイラー、フレッド・アステア、クロスビー、ライザ・ミネリ、ジェームズ・スチュワート等、もうそれだけでお腹いっぱい

しかし!
ここまでこんなに誉めてきた中、急に水を差して悪いが、正直、自分は昔のMGMが大嫌いです!!!
ルイス・B・メイヤー、アーサー・フリード等、最低セクハラで有名だし、その餌食となってしまったMGMの中でももっとも才能高いジュディ・ガーランドのファンでもあるので、昔のMGMには良い印象は全くありません

MGMは大スターや優れたミュージカル作品を多数、世に生み出したのには間違いはないのですが、その点を頭に置きながら、本作を鑑賞しました

そうすると、何だか矛盾が応じてくるというか…ジュディ・ガーランドの人生と才能を殺してしまい、解雇したわりには、やはり、彼女はMGMのミュージカルの歴史において重要な人物だったようで、ジュディのシーンがジーン・ケリーと同じくらいたくさん出てきます
また、ライザ・ミネリがナビゲーター役として自身の母・ジュディや彼女の作品について言及していますが、MGMを責めるのことや真実は一つも語らず、表面的にいいことばかり言っているのが少し物悲しかった
きっと、ライザ・ミネリの胸の内は全然違ったと思う
もっと、本当のことをぶちまけたい気持ちもあったのでは?
しかし、本作はそんな作品ではない
そんなところが何だか気に食わなかった

とはいえ、意外な発見があり、充分に楽しめた
①あのジェームズ・スチュワートもMGMミュージカルに出演して歌を披露していた!しかも、替え歌なし!本人の歌声!
②ジーン・ハーロウも密かにミュージカルに出ていた!
③ジュディ・ガーランドがクラーク・ゲーブルに向けた曲があった!
④ケーリー・グラントまで歌っている!しかも、ジーン・ハーロウとの共演作
⑤あのクラーク・ゲーブルが踊っている!
しかも、アステアのダンスで有名なputtin’ on the Ritz!!!

1番の驚きは、やはり、踊るクラーク・ゲーブルと歌うケーリー・グラント!!!
ゲーブルは短いダンスだし、お世辞でも上手とはいえないけれど、観た時の衝撃がすごかった…
一方のケーリー・グラントも決して、歌がお上手とまでいかないけれど、結構いい声してました

そして、やはり、1番のお気に入りシーンは
エレノア・パウエル&フレッド・アステアの
ビギン・ザ・ビギンのダンス
アステアはMGM専属ではないけれど、自身大ファンなので、やはりあのシーン!
もう、多くは語らないので、観てください!!!
自分の中ではあのダンスは伝説です

また、女性タップダンサーといえば、上記のエレノア・パウエルが有名ですが、自分はどちらかいうとアン・ミラーの方が好きです
なので、彼女のソロダンスシーンも結構出てきて嬉しかった!
アン・ミラーの出演作品って、今でも日本では未公開や観られないものが多くて困っていたので、例え、ワンシーンでも観れたのは、ファンとして本当にありがたかった

そして、MGMミュージカルスターといえば、おなじみのジーン・ケリー
はっきり言えば、本作はジーン・ケリーを讃えよう的な作品のイメージでした
まぁ、MGM作品だから当たり前なんだけど

MGMについて、ネガティブなイメージがあり、文句タラタラ書いてしまいましたが、サントラも非常に良くお気に入りだし、続編も期待して観てみようと思います
Adele

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