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ジャガーノートのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ジャガーノート(1974年製作の映画)
3.8
爆弾解除で「赤か?青か?」。
どっちかのワイヤーが爆発で、どっちかのワイヤーが時限解除。

この爆弾処理の超有名なギミック。
これのルーツがこの作品だと言われている。
そういう意味で、この作品の価値は絶大。
この後に、どれだけこのギミックが使われてきたことか。

今でも、洋画でも邦画でも、映画でもTVドラマでも、爆弾解除の最後のクライマックスはだいたいこのギミック。

これか、爆弾もろとも運び出して深海とか空とかで爆発させるギミックか。
爆弾の脅威から逃れる数少ない方法を編み出した意義深い映画。

歴史ある豪華客船での航海。
海の上の豪華客船に仕掛けられた7つの爆弾。

見た目はドラム缶。
犯人からの電話で知り、船員が見つけたところで手の施しようがない。
そこで派遣された爆発物処理のエキスパートチーム。

このチームのリーダーのおっちゃんがめちゃくちゃ渋くてカッコいい。
人当たりも良く面倒見も良く、冗談交えながら軽口も叩くおっちゃん。

だが、ひとたび爆発物と対峙する時の鋭い眼光、機転の冴える判断力。

人間じみた部分と、度重なる処理の経験でスリルの向こう側に到達しているようなタフさが共存していてとても魅力的なキャラクターのおっちゃん。

爆弾と向き合い、ドラム缶と睨めっこが本筋なので、本題が地味。
だから、このおっちゃんのキャラクター性もそうだし、船で航海を楽しむ乗客、陸で犯人を追う警察、早々にテロに屈して金で解決しようとする船会社。

爆発物との対峙以外の海と陸で起こる出来事をちょこちょこ差し込み、時に平和なムードもチラつかせ、ドラム缶の前で起きてる緊張感を引き立てる。

そして、気付く。このおっちゃん、リチャードハリス、『ハリポ』のダンブルドア。最初のダンブルドア。これはちょっと感激。

その他、若かりしアンソニーホプキンスが警察役で動き回るし、イアンホルム、あの『ロードオブザリング』のビルボもいる。
ダンブルドア、レクター博士、ビルボバギンズがいる。
実はキャスティングもちょっと別格の映画。

「赤か?青か?」のルーツ、豪華客船パニック、豪華キャストで贈る犯罪サスペンス。
この映画はもっともっとたくさんの人に観てもらってレビューされるべき作品。
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