アン・ソンギ57歳イ・ハナ27歳。
『青い塩』(2011)のソン・ガンホ44歳シン・セギョン21歳、『ハッピーログイン』(2016)のユ・アイン30歳イ・ミヨン45歳、『隠された時間』(2016)のカン・ドンウォン35歳シン・ウンス14歳、って劇中かぽーを並べるとアン・ソンギだけが突出してキっっっモ。
って言われるのは不公平では。となるんですけど、だいたいこういう年の差恋愛モノって観客にそう思わせない環境を丁寧に構築するわけで、つまりそこを逆張りに仕上げたのは意図的と考えるほうが自然じゃないですか。映画制作者だってバカじゃないんだから。
……何で。何でこうなった。
という疑問を持ち続けたまま、考えた選択肢
(a)制作者の願望が反映されている
(b)何かの寓意である
(c)年齢差は悪くないという主張
どれもピンと来ないのよねえ。
あのね、『ソウォン／願い』(2013)ってソル・ギョング主演作の元ネタは本作と同時代(2008)の56歳男性による8歳暴行事件ですけど、さすがにそれが根底にあるとは思えないんです。
コトの深刻さは無論、アン・ソンギが託されているのは告発や主張のような強めのオピニオンというより、もっと静かな「そういうこともある」凪の風景だから。
いっさい共感できないし、それならそれで描き方あるやろがい。ぐらいの説教カマしたくなる作品だけど(どうですか逆に見たくなってきましたか)途中から腹を立てるとか気分を害するというより、お前はいったい何が言いたいんだ？ 純然たるクエスチョンマークが大きくなって、とうとう最後まで見ちまいました。
落ち着ける解釈があったらぜひ教えてください、そんな感じですかね。
