みほみほ

自殺サークルのみほみほのレビュー・感想・評価

自殺サークル(2002年製作の映画)
2.9
🐰2024年78本目🐰

昔レンタルしたビデオの予告に冒頭の集団自殺シーンが入っていて、小学生ながらに踏み入れてはいけないタブー感覚を持ち印象に残っていた。

あのシーンがインパクトが強過ぎたのか勝手に観た気がしていたけど、翌2003年の「集団自殺ネット」や「集団殺人クラブ」等とごっちゃになっていたらしく、改めて再生してみると初見なことに気付く。

この時代のセンセーショナルな話題を含む題材といえば、自殺、援助交際、エイズなど…当時まだ未熟な年頃の自分の恐怖心と嫌悪感を煽るには十分で、こういった作品から受ける影響も少なからず大きかったような気がする。

とにかく当時は、ホラーは好きだけど正統派な心霊ものはテレビ特番が多くて、映画となるとどうしてもこの手の作品と出会ってしまい、最終的に心の落とし所が分からず迷宮入りするなんてことも多々あった。そんな頃を思いふと懐かしくなった。

冒頭のシーンは気持ち悪いし、何より低予算みのある質感で作り物感がある分、血の色合いとかバラバラになった人体とかが不快感を高め胃がジリジリやられるんだけど、警察が画にいる間は結構面白くて意外にも没頭してしまった。(警察って存在する人達だからか、証拠品を見つけ覗いてうわっとなるあの感じが好きなんだよね。当時の日本映画で結構多い。)

これは意外と悪趣味な方面ではなく、良き方向に行くのかと期待してたら、急に哲学的な説教じみた路線に辿り着いてしまい残念。終盤につれて微妙になっていくし、ROLLYの出演シーン辺りの描写があえて不快感募らせる当時の日本のデフォルトな感じで受け付けなかった。

せっかく途中までの 何故?の気持ちが面白いのに、最終的に広げて置き去りにされる…レンタルしたら落ち込むタイプの典型かもしれない。

キャストはなかなか良い。90年生まれの自分にはかなり刺さる。顔は知ってるけど名前を知らなかった俳優さん(麿赤兒)が大森南朋の父親なことを今知ったのも面白いし、石橋凌が出てくるだけで感じるワクワク感とかまだまだ尖ってる永瀬正敏とか…正しい使い方が分からないけど、私にとってもエモいという表現はこういうところに詰まってる気がする。

今普通に名が通ってる人達がチョイ役でササッと出ていたり、豪華な面々が揃ってて特に警察官は味が深い。個人的に一番驚いたのが、津田健次郎。今は声優と俳優を両立し、絶大な人気を誇っているけど、まだまだ目元が素朴な感じでオーラは薄いけど声はあのまま…こうして昔の作品に触れた時に後に有名になる人が出てるのも楽しい。

何故突然観たかというと、アマプラサーフィンしてたらたまたま出てきて 興味本位で再生し始めたら見入ってしまったから。

これが普通にホラーテイストで、カルト的なこととか哲学的要素省いたらもっと面白そう。

まぁこの人の映画ってそういう感じでもないか…映画に歌入れるの好きだよなぁ。「エクステ」の大杉漣が歌ってた ヘアヘアーマイヘアヘアーもいまだに頭から離れないし笑笑

てっきりデザートがサブリミナル的な効果を生んで自殺に導いてるかと思ったのに、立証も難しい方法で若者を引きずり込んでいくのがざっくりし過ぎてて納得出来ない。複雑にして解決しないのもこの当時の日本のこのジャンルの典型。

「紀子の食卓」観る気も今のところないし、もうこれはこれでいいや…

2002「自殺サークル」
2003「集団殺人クラブ」 タケゾウ🤣
2003「集団自殺ネット」

ここらへんからこういう作品増え出して紛らわしい。「集団自殺ネット」はここには載ってないんだけど、昔 本作「自殺サークル」と間違えて借りてきて観た記憶があるようなないような。白石晃士らしいので、機会があれば「集団自殺ネット」もチェックしたい。
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