桔梗F

唐山大地震の桔梗Fのレビュー・感想・評価

唐山大地震(2010年製作の映画)
4.2
1976年、唐山市を大地震が襲った。
夫を失った母は、残された二人の子供の行方を捜す。
姉弟が瓦礫の下にいると伝えられるが、どちらか一人しか助けられないという状況が告げられる。苦渋の中で「息子を…」と泣き崩れる母親。だが、その声は瓦礫の下の姉の耳にも届いていた…。

2011年日本でも公開予定でしたが、日本でも大震災があり延期。
今年4年越しで公開されました。

ディザスタームービーと思いますが、災害は序盤に。
後は生き別れになった姉弟の2つの家族を描いたヒューマンドラマとなります。

よって作り自体は、スマトラ沖地震&津波映画「インポッシブル」と同様ですが、「インポッシブル」は終わりまで救出までの短期間、本作は終わりまで救助されてからの32年間という点で異なります。

特筆点は地震描写の凄まじさです( ;∀;)
CGを活用してるとはいえ、かなりきつい描写が多く悲惨さがうかがえます。
けっこう容赦ないので苦手な方には厳しい映像(^^;
※中国公式発表では死者24万人だそうですが、アメリカなどの調査で推計死者60~80万人では?

その後はフィクションのヒューマンドラマが始まり、姉を見捨てた母の苦悩、母に見捨てられた娘の苦悩とともに2つの家族ドラマがトントン拍子に進んでいきます。

あらすじからラストは再会とわかるし、宣伝文句も「号泣必至!」なので、泣かないぞ!と心構えて観ましたが、序盤のバスシーンでもう泣いてました(笑)涙腺弱っ!

ラストもあらすじ通りの予定されたものでしたが、キーアイテム「トマト」の伏線が回収されたとき涙腺決壊( ;∀;)もうダメです…

各登場人物の演技も素晴らしく、特に母親役シュイファンの演技、表情は鬼!

娘役のチャン・チンチューだけ異常に美人ですが、その他のキャラはイケメン、美女もいなく、展開も素朴なのが好ポイント(^o^)

満点でない理由は、中国の検閲を通るため完全に忠実に地震シーンを再現していないことです。
死傷者が異常に多い理由は、救助当局の動きがグダグダだったのと、日本を含め外国救助隊の支援を断ったことですが…そういうのは描かれず美化されてました(^^;
※四川大地震でもグダグダでしたね

今でも検閲により正直な映画を作れない中国の現状も映画から読み取れます。

また30年にわたる中国人一般家庭の生活などの市井の様子、地震で壊滅した唐山のとんでもない復興の様子などストーリー外の資料的価値も高い映画かと。
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