ひらさま

ミスター・ノーボディのひらさまのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーボディ(1974年製作の映画)
4.0
セルジオ・レオーネがトニーノ・ヴァレリ監督を隠れ蓑?にして、恐らくは自らが裏で仕切りまくったと思われる
実に丁寧な絵作りや構図、そして独特のテンポは、どー観てもレオーネの作風
冒頭の殺し屋も3人だし
伝説的な早撃ちジャック(ヘンリー・フォンダ)は功名心から多くのならず者に付け狙われる事に辟易して、ヨーロッパへ渡る事を決意
そこへ現れたのが、やたらと陽気な風来坊風情のノーボディ(テレンス・ヒル)
このふたりのつかず離れずの関係性が面白いが、最後には彼のリクエスト通りに、ジャックを追ってやたらと走りまくるワイルド・バンチ一党150人と対峙
ひとりで見事に大半を倒し、伝説には更なる1ページが加わるも、しかし安息を望むジャックは消えるしかない
さて結末は…

ヘンリー・フォンダは「ウエスタン」に次いでレオーネ作品に再登板
キャラも踏襲されてる上にセルフパロディもあり
テレンス・ヒルは当時イタリアを始めヨーロッパ諸国でも大人気だったらしい
「Mr.ビリオン」でハリウッドに逆進出した程
音楽はレオーネ作品には欠かせないエンニオ・モリコーネ
テーマ曲は作風に合わせてコミカルで軽め
随所でお遊びもあり、モリコーネ自身も楽しんでる様子
レオーネが表立って演出しなかった事情は不明ながら、レオーネの他作品同様、繰り返し楽しめる傑作西部劇
ちなみに今回はBlu-rayの廉価版で鑑賞しましたが、画質は文句なし