じり

ブルースの誕生のじりのレビュー・感想・評価

ブルースの誕生(1941年製作の映画)
3.5
エルビスやジェリー・リーが、R&Rキングとしてブイブイ言わせるほぼ半世紀前のニューオーリンズ。

厳格な音楽一家でクラリネットの練習に勤しむ少年ジェフは、父の目を盗んで黒人歓楽街ベイズンストリートでジャズクラリネットの腕を磨く。
やがて青年になった彼は、白人音楽仲間とディキシーバンドを結成し、紆余曲折の末シカゴを目指す。

黒人音楽をリスペクトした白人バンドは、強い批判を受け苦戦。
白人なのに下品な音楽だと知識層のご婦人達が子供の耳を塞ぐ有様。
いつの世も刺激的な新しいものは、嫌悪を生むのだ。

奴隷制度が廃止され、自由になったはずの黒人達も、経済的に虐げられることは変わらず、そんな悲哀から救いと癒しを音楽に求め、生まれたのがブルースやJAZZと聞く。

でも待て待て、ジェフ達バンドが演奏していたのは、ブルースじゃないぞ?
ディキシーランドってJAZZの原型でしょ?

唯一聴かせるブルースは、下男のルーイが負傷した枕元でルーイの妻が歌った「セントルイス・ブルース」。
これ、泣けます、素晴らしいっ!

タイトルから期待して購入してしまったけど、ブルースの「誕生」物語でありませんでしたね。

しかし、ロックのルーツとしては大変興味深い作品でした。
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