チャールズ・チャップリン映画。
言うまでもなく、ヒトラーの独裁政治を批判した作品です。
ユダヤ人の床屋のチャーリーとトメニア国の独裁者ヒンケルの二人の物語が同時並行して描かれています。
チャップリンらしく、皮肉とユーモアに富んでいるので2時間飽きさせません。
特に、ハンガリア舞曲に合わせて床屋が髭を剃るシーンは思わず吹き出しました。
ちなみに、こちらの映画は1940年10月15日公開されたもので、ホロコーストの存在も知らない中、アウシュビッツ収容所建設前のことです。つまり、ヒトラーが現役でいるときに、彼の強烈な個性を真似したいという想いで作られたみたいです。これを実際に観たヒトラーはどう思ったか気になりますよね。
チャップリン初の「トーキー作品」(映像と音声が同期した映画)。
最後の6分間の演説シーンには、チャップリンのひとりの人間としての想いが詰まっている意志ある映画だと思います。だからこそ、何十年も経った今でも感動させる力があるのだと思います。
「知識より思いやりが必要である。思いやりがないと暴力だけが残る」
チャップリンが”言葉”を使って訴えたいことがここにあります。