このレビューはネタバレを含みます
「一人殺せばヴィラン…」違〜う!
その昔短編しか見たことがなかった頃はこのセリフが本作のものだと勘違いしていたんですがそういう方、結構いらっしゃるんじゃないですかね?
有名な最後の演説、ちょっと冷静に考えれば途中でガービッチが「総統閣下は気がふれた」とかいう事にして止めさせるだろうけど、そういう整合性を無視して、第四の壁を越えて一席ぶちたくなるぐらい、チャップリンに切羽詰まった感があるからこそ観ていて胸に迫ってくるのでしょう(制作中にナチスはポーランド侵攻を開始)。
ここからは余談。芸人の方が笑い抜きで政治的な話をする光景を時々目にしますが、やはりプロのお笑いとしての自負があるのなら芸の中で意見表明をした方が良いのでは?などと思ってしまいます。
ウクライナのゼレンスキー大統領はカンヌ映画祭開会式で「戦争を前に映画が沈黙していないことを証明するには新たなチャップリンが必要だ」と語りましたが、彼自身果たして今もコメディアンとしての矜持を失っていないのか?気になってしまいます。