金柑

独裁者の金柑のレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.3
たぶん学生の時に一度観ている。当時はあまり刺さらなかったけど今観たらあまりにも印象的な場面が多かった。ハンガリー舞曲ヒゲ剃りはちょっと記憶あった。

無垢であるはずの“浮浪者"として見覚えのありすぎる彼が真面目な人間の顔でショックを受けたり思慮したりしてるのを見ると胸がキュッとなってしまう。クモの巣を見つけた時のショックや警官への反発、店が燃えるのを見つめる後ろ姿。
床屋と同じ人が演じるヒンケルがギャグの影にちらっと見せる残酷な表情でやっぱりこの人はただのコメディアンじゃなくて役者なんだなと
ラストの演説は今見ると床屋がいつから語彙が豊かになったのかと思わざるを得なくて、要するにあまりにもチャップリン自身にしか見えないのだった。この演説が他人事に感じられない世界よ早く終われ。

風船地球儀はあまりにも名場面だった

ピングーの動きを素でやる人間
年齢も相まってよぎるムロツヨシ
逃げようとしたら敵と鉢合わせて片足でおとっとっとって止まるやつ好き
引きで急に群衆を見せるとかカメラが移動したら思いのほか距離が短いとか、なんかそんなとこも見ちゃった

garbageとかバナナとかOstrichはオーストリアなんだとか今だから気づける語呂もたくさん
金柑

金柑