OSHO

独裁者のOSHOのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.5
チャップリンの作品のなかでも名作でした。
チャップリンって、本当に良い俳優で、良い監督で、良い脚本家ですね。

(映画内ではすべて実名は使っていませんが)
第一次世界大戦終盤の西部戦線から、第二次世界大戦前夜までの話。
2人の主人公の物語が交互に描かれている。
一人は、ユダヤ系ドイツ人の床屋
もう一人は、アドルフ・ヒトラー

2人を演じているのは、当然チャップリン。
ストーリー的にも、この2人、入れ替わるだろうと思っていたけど、
ずっと入れ替わらずに平行線のまま終わりなの…と思いかけていた終盤、
残り15分くらいのところで突然入れ替わる。

そして、最後にヒトラーになりすましたユダヤ系の床屋によるスピーチ。
このスピーチは超有名らしいけど、本当にステキなスピーチでした。
本当にヒトラーがこのスピーチをしてくれたら、第二次世界大戦は起こらなかったのかも…
トーキー(有声)映画全盛期でも、サイレント(無声)映画にこだわっていたチャップリンがはじめての本格トーキー映画で、いきなり最高のスピーチを魅せてくれた。

そして、この映画、1939年9月に第二次世界大戦がはじまってすぐに作られ、
アメリカでの公開は1940年10月だそうで、
(日本が第二次世界大戦に参戦したのは1941年12月の真珠湾攻撃と言われているし、日本が参戦する前には、この素晴らしい映画ができていたのですね)
このスピード感も素晴らしい。
脚本家チャップリンも最高です。

チャップリン映画らしく、小さなボケをこれでもかという程入れてくる。
笑いは緊張と緩和とも言うし、特に戦時下でのボケは最高でした。

そして、これもチャップリンらしく、貧しいけど前向きで美人の女性ハンナが登場する。
このハンナとの絡みも良かった。

偉そうに書いているけど、私はまだチャップリン作品を観るのは4本目。
これからもときどきのペースでチャップリン映画観ていきます!
OSHO

OSHO