プレコップ

独裁者のプレコップのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.9
中盤、ヒンケルによるユダヤ人排斥の演説(エセドイツ語、訳なし)と、最後の演説がヒトラーとチャップリンをそのまま表している。どちらも韻を踏み、親しみやすい言葉を使って訴えかけるが全く逆の主張をする。

まだチャップリンがホロコーストの事実を知らなかった時に制作されたからこそ、ヒトラーをお気楽かつ下品なイジり方をする場面もある(特に、ブタのように鼻を鳴らす演説や大量殺戮兵器の開発を知らせるところ)が、そういったギャグが積み重なり、それが笑えるからこそラストの実直なメッセージがすんなり入ってくる。

映画文化の到達点をさらに引き上げた名作中の名作。
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