囚人13号

独裁者の囚人13号のレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.0
登録忘れ。チャップリンはかなり早い段階で、映画を意欲的に観始めた頃からインターネットに疎く視聴困難と決めつけていたプロパガンダの『公債』と、自粛していた『殺人狂時代』『ニューヨークの王様』『伯爵夫人』以外は全て観ていた。

個人的にチャップリンについて当事者の話なら淀川長治を読めばいいし、正確な資料価値を求めるならデイヴィッド・ロビンソンと大野裕之で事足りると思うのだが、彼を過剰に擁護することなく映画史において正確な位置づけを行っているいる人は正直あまりいない気がする(ハスミンや小林信彦の慎重さが今のところ一番しっくりくる)。

本作については今更語るべき事もないが、あまり話題にならない点で自分は『担え銃』然り人間が一人も死なないのに卓越した戦地の描写力と、飛行機が落下していく過程の反重力・反転構図が凄く好きです。
古くはウェルマンからデヴィッド・リーンやニコラス・レイ、パウエル&プレスバーガーはおろかジョン・フォードまでもが撮っている飛行機の墜落にかけて、チャップリンのこれがキャリア唯一にして最高点であるとすら思う。
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