くめこ

独裁者のくめこのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.2
もう何度見たかわかりませんが、今回は中洲大洋さんのサヨナラ上映で見たので改めて書いてみました、

意味がわかってない小さい頃から見て、最後の演説の内容がわかるようになったのが大学の時笑。そしてコールドプレイの東京ドームライブ2017のオープニングでその演説の一部が使われていて、本当に感動しました。

しかし今回久々に見ましたら、何とまぁ、何だかすぐそこにある身近な出来事のようで…。ユダヤ人いじめって、こんなことあったんだろうなぁ、これから似たようなことなきゃいいなぁ、、もしかしてもうあの地域ではあるんじゃ…と悲しくなりました。

そういえば、あのヒンケルのトンデモドイツ語演説、のちにヒトラーの演説を見て、まんまで笑いました。以前はあのスピーチには字幕がついてなかったんですが、今回はついてました。あの意味のわからん言語の長ーいスピーチに対し、割とあっさりな英語の要約が面白いと思ったのですが…。でも不思議なことに、あの字幕を見ると、実際微妙に英単語も混ざってることがわかり、あのトンデモドイツ語は意味がちゃんとあったんだ!と今更知りました笑。字幕があったほうがいいのか蛇足なのか…。

きっとあのムッソリーニ風の人も話し方とか本人にそっくりなんでしょうね笑。随所に当時のギャグが満載。戦争ネタなのに当時の人は大笑いだったのでは笑。

体を張ったギャグやプリンのコイン事件はやはり笑いました。
世界大戦なんてどうやったって笑いになんてなれない1番の題材で、ビューティフルライフはとてもいい映画だと思いますが、笑えるかと言われると、私は辛くて笑えない…。それなのに、チャップリンが大戦を扱うと本当に笑えるからやはりすごい人だなぁと思いました。

そして久々のラストの演説を見ました。悲しいかな、今も内容は当てはまることばかり…。

そして改めて、技術や進化に固執している私たちに呼びかける内容もあり、その鋭さに驚きました。。

映画の内容もですが、もう80年も前の古い映画なのに、いまだに私たちに当てはまり、忠告してくるこの作品は恐ろしいですね。

早くまた気軽にこの作品を笑える日が来るといいなぁ、と思いました。

上映後は拍手。何だか嬉しかった。中洲大洋さん、貴重な体験、ありがとうございました!
くめこ

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