こざら

独裁者のこざらのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.0
1940年という第二次世界対戦真っ只中に、国家の意志に屈せず、反戦を意を込めて製作された本作を、私の自由意志で鑑賞が出来ていることにとても感動を覚えます。

そして、80年以上前の作品にも関わらず、ほぼ劣化していない状態で視聴できるとは思ってもいませんでした。それだけ、本作に救われた人々が多かった事が伝わります。

その時代を生きた人々の肉声や演技から伝わる、反戦の想いや危機感をひしひしと感じました。そして、あくまでも娯楽としての側面を大切にしている点もとても気に入りました。特に、ハンガリー舞曲にのせたひげ剃りシーンは、サイレントとトーキーの変革時期だからこその魅力が詰まっていました。

世界を繋ごうとしたチャップリンが、まず万国共通の笑いを目指していたことがよく分かるとても温かくユーモアに溢れた作品でした。
こざら

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