8Niagara8

独裁者の8Niagara8のレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.9
ナチズムに対しても強烈にユーモアを叩きつける。この揺るがないチャップリンの姿勢そのものが強いエネルギーを生む。
しっかりコメディとして面白いし、決してそこに冒涜的なものはない。ブラームスが流れるシーンの鮮烈さたるや言葉にならない。
死を軽んじるわけではなく、あくまで生きることの価値を強調する。
そして、それはラストにさらに確固たるものとなる。
話しているのはチャップリン自身のように映り、絵空事にはならず、胸を打つ。
これほど説得的で、揺るぎないラストシーンもない。コメディアンとして不世出である彼だからこそのコントラストが生まれた輝かしいシーンである。
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