ともたろう

独裁者のともたろうのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
5.0
チャップリンの反戦映画。
1939年、ドイツがポーランドへ侵攻して第二次世界大戦が始まった直後に制作開始。
チャップリンは独裁者ヒンケルとユダヤ人の床屋の二役を演じる。
前作の「モダンタイムズ」で初めて肉声を聞かせたチャップリン。どこにもない言語で歌い、セリフも会話としての成立を拒否した。どこの国の人が観ても言葉が分からなくても笑って泣ける、それが映画だという事を皮肉にもトーキーで示した。
そして今回初めて自分の言葉でメッセージを残す。チャップリンがどうしても伝えたかったものは平和への願いであり希望だった。
最後の演説部分が有名だけど、そこまではやっぱりコメディ。痛烈に皮肉ってもユーモアは忘れない。
チャップリンの映画で一番笑った作品だった。
この映画を観たヒットラーはチャップリンをドイツに招待しようとし、アメリカ政府は国外へ追放しようとした。
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