とっとこハゲ太郎

独裁者のとっとこハゲ太郎のレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
2.5
最後にチャップリン扮する「独裁者」が語るメッセージは、当時の世界全体に向けたものだろう。この頃はまだ、アメリカは第二次世界大戦に参戦しておらず、自由と民主主義を擁護する全世界の「良心」として機能することができた。そんな国で製作された映画だからこそ、こういうことが言えたのだろう。だが戦後になって、アメリカはモンロー主義を捨てて地球の警察官として世界中に自由と民主の軍を駐留させた。のはいいのだが、もはや中立などといった概念は過去の遺物となり、ベトナム戦争あたりでかつての「世界の良心」としての地位を完全に裏切ることになるのだが。