フワッティー

ナサリンのフワッティーのレビュー・感想・評価

ナサリン(1958年製作の映画)
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ブニュエル監督20作目。メキシコ時代。敬虔な司祭を描く宗教映画。カトリックの賞を受賞したそうだが、他の作品を観る限りではキリスト教を「バカにしているのか」、「憂いているのか」が判別不可である。幼少期を無理やり捧げたキリスト教に思いを寄せるなら、ヘラヘラ顔のイエスの絵など、オブジェクトにできるだろうか。

原作を活かした写実的な作風に思えても、「悪魔はいるわ」のセリフからの不自然な暗転、からの道端の死体、というらしい作風も見られる。

ブニュエル版『田舎司祭の日記』とも言える本作。ブニュエルは『ナサリン』は原作者ガルドスの代表作ではないから、気を楽に映画化できると語る。ブレッソンも『白夜』や『優しい女』で同様の発言をしていたことを思い出した。
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