これは面白かった。一夜限りのコンビでナンパに励むジャック・シャリエとシャルル・アズナブールの対照の妙。次々とドラマに絡む女たちがみな見せ場をつくる。とくに、悲しげなたたずまいのアヌーク・エーメと、後半の物語を動かすスウェーデン人二人が印象的。ジャック・シャリエが「大きなフランス人」、シャルル・アズナブールが「小さなフランス人」と呼ばれるあたりは笑ってしまった。狂躁の一夜が終わり、男二人は互いの連絡先を交換することもなく別れる。小さなフランス人は愛を得て、大きなフランス人はまた愛を得ることはなかった。このエンディングの苦さの余韻に浸る。
