森村誠一の原作は未読。
「野性の証明」の前作。角川映画。くらいの前知識しかないまま見ました。
かなり粗は目立つものの、日本映画らしくないスケールの大きさに驚き。
鑑賞後に佐藤純彌のクレジットを見て納得。
同監督の手による「新幹線大爆破」「君よ憤怒の河を渡れ」
などに比べると、完成度は低く、緊迫感はない。
随所にスケールの大きさが垣間見られる2時間ドラマというような印象。
ニューヨークを舞台に、
黒人青年が金を得るところから話が始まるところからして、
そんな話だったの?と意外なところを突かれた感じ。十分興味を引く導入。
序盤、黒人女性が主体のファッションショーを延々と流すとか、
ある意味前衛的なのだが、かなりダレる。伏線的効果があるとは言え。
警察が集まって会議をするシーンはわりと好き。
黒澤明の「天国と地獄」っぽい。
麦わら帽子をフィーチャーし過ぎなのはかなりクドい。
全体的に、自然な流れではなく、型にはめ込む強引さがみられる。
狙った通りの感動はたぶんほとんどない。
なるほどいろいろと背景は考えられているのね、止まり。
俯瞰映像の多用は、テレビドラマにはない映画ならではの贅沢さ。
ニューヨークのスラムはなかなかいい雰囲気出てた。
昭和的な雑多な映像が多い中で、終盤の霧積の空は美しく映えていた、
ワールドトレードセンターが健在なのも時代を感じる。
役者は相当豪華。日本映画としてはかなり金をかけてるし、
この時代特有の熱気を感じた。
小川宏とか懐かしい。ニュースを読む露木茂が若くて衝撃的。