あなぐらむ

セクシー地帯(ライン)のあなぐらむのレビュー・感想・評価

セクシー地帯(ライン)(1961年製作の映画)
3.7
新東宝ラインシリーズ最終作は軽いジャズに乗せて三原葉子のコケットが弾ける、タイムサスペンス。女スリの三原とおっとり会社員・吉田輝雄が銀座〜浅草の夜の淵を走り抜け、会員制売春組織の闇を暴いていく。
浅草六区、ボート遊びができる築地、ドライブする手持ちカメラが時代を切り取る。

愚鈍な印象の吉田に比べ、三原、三条魔子、池内淳子、みなタフに、ドライに男社会を生きているのが面白い。三原を追う飄々とした刑事に細川俊夫。日活アクションを女だてらに三原葉子がやっている感じ。へらず口を叩きながら窮地を切り抜ける様は、プレイガールの原モデルか。

殆どスタジオは使われず、夜の街に拘ったカメラが効果的で、定期的に映し出される銀座交差点のセイコーの時計が緊張感を持続させる。
クレジットタイトルもとてもモダンで、東映ギャングものへと流れていく石井輝男のセンスを感じる。