コマンダンテ

乱のコマンダンテのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.3
奸智に長け地方統一を成し遂げた大大名が晩年になり、家督相続を失敗し一族もろとも転落するという話。モデルになった毛利家の三本の矢の逸話を裏切る展開はシェイクスピアが大きく影響しているのだと思う。主演・仲代達矢の怒髪天を衝く表情から怯える姿まで顔で見せる演技は圧巻だった。一族が滅び他大名が漁夫の利を得、敵を討った者も肉親に先立たれ命を落とす外無し。あまりの報われぬストーリーに言葉を失った。合戦のクオリティはやはり邦画史上群を抜いていると言わざるを得ない。CGでは得られぬ手に汗握る映像に興奮が抑えられなかった。騎馬を大量に使いあれ程の規模のシーンを作り上げた黒澤監督にはやはり頭が下がる思いだ。栄枯盛衰という物ををことごとく思い知らされた
コマンダンテ

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