パイナップルペン

乱のパイナップルペンのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
5.0
日本映画の礎を作ったにも関わらず、日本映画界から干された黒澤の人生が、愛する息子たちに裏切られた主人公の絶望と重なり涙が止まらなかった(なので今作はフランス人プロデューサーが出資)

視力が衰え自殺未遂をし、最後の作品なる覚悟で制作された「乱」は、スコセッシが「ギャング オブ ニューヨーク」でスピルバーグ「プライベート ライアン」で模範した序盤の「三の城」の完璧な戦闘シーンと、主人公が発狂し正気を失った後半の恐ろしいエネルギーにエンドクレジットが終わっても席から立ちあがれない。

原田美枝子が斬首されるシーンは洗礼された黒澤ダイナミズムが美しく印象に残ります。

黒澤の最高傑作と呼ばれ、数えきれない賞と名誉を獲得したにも関わらず、日本での興行収入は悲惨な結果に終わりました😭

世界で最も辛口で権威ある批評家ロジャー エバートが最高得点を付けざるをえない名作。エバートの「乱」に関する批評も必見です!!

北野武が「首」で意識的に避けた作品だと思う。