四郎兼定

乱の四郎兼定のレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
5.0
おびただしい数の馬と人間が疾走し、おびただしく死んでいく。
髪をばらばらにしてさまよう秀虎、狂ってからまばたきを一度もしていない。

「夢」でもそうだったけど行列、行軍のすがたが本当に…!あらゆる解釈を拒否する独立した美しさ。
ラストシーンの緊張も凄かった。破裂寸前の激情がこんなにも静かに映るのか。
荒野の真ん中でいよいよの臨終を迎えるシーンは荘厳なのにあっけない。なんだこれ。見たことない。
誰にも捉えきれない、人の認知を超えた、群衆の思念体のような、リヴァイアサンのようなものが乱を求めてうごめいている。

制作費26億らしいが、これを出せるんならなんぼかかってもいいよなと思う。
狂阿弥の道化力と丹後の彼氏力おもしろかったな〜。
あと天守閣オーバーキルめちゃくちゃ楽しい。巻き直して3回観ました。
四郎兼定

四郎兼定