きみどり

噂の二人のきみどりのレビュー・感想・評価

噂の二人(1961年製作の映画)
4.0
ウィリアム・ワイラーと言ったら『ローマの休日』のイメージしかなかったけれど、こんな普遍的でシリアスな作品を残していたのですね…。

寄宿女学校を経営する女性教師二人が、生徒たちの付いた心無い嘘とそれを鵜呑みにした保護者たちに人生を狂わされる物語。

ひどい誹謗中傷が蔓延るのはSNSの時代だからなんて誰が言った。昔から変わらず、人の世は邪悪で愚かで残酷なんだわ。
レビューでも多く言及されていたけど、あの子役のソシオパスぶりの恐ろしいことよ。ちょっと演技上手すぎではないですか…。

ヘプバーンとマクレーンの親友同士の心理描写も秀逸でした。特に後者が、自分の本心に気づいて苦悩する場面は涙なしには観られなかった。誰かを愛する気持ちそのものを、あんな風に否定しなくてはならないなんて。

1960年代にこんな真摯なLGBT映画があったとは驚き。クラシックもちゃんと観ていかなければと改めて思いました。

でも…これ良作だけど、最悪の結末を迎えるので、辛すぎてもう二度と観たくないです。
きみどり

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