ひろぱげ

クルージングのひろぱげのレビュー・感想・評価

クルージング(1980年製作の映画)
2.9
ウィリアム・フリードキン追悼記念。

ゲイばかり犠牲となる連続猟奇殺人事件が発生。犯人逮捕を迫られた警部によって囮捜査官に指名されたのは、「被害者たちに似ている」=犯人の好みのタイプだという理由のアル・パチーノ演じるスティーヴ警官だった。(それもどうよ、って感じなんだけど)
夜な夜なゲイクラブに潜入し、レザーで身を固めた「ハードゲイ」たちを見続けているうちに、スティーヴは・・・。なんてな。その辺りの心理描写や過程が丸ごとすっ飛ばされてるので、最後のオチもなんか「ミイラ取りがミイラに」なっただけで、ただのホラーみたい。(ほら、フリードキンは「エクソシスト」も撮ってる人だからね)

それにしても、レザーフェチから警官コスプレ、SM、フィストファックまで、出てくる出てくる、ゲイのハッテンシーンが!ケツ割れサポーター穿いた男たちが!店にいる男を物色するゲイの目つきが!そこまで出す必要あるのかな?というくらい出てくる。時代は違うけど、2013年に行ったベルリンのゲイクラブはまさにこんな感じだったよ。
ま、タイトルが「クルージング」だから、そこを描きたかったのかもしれないが。。。(クルージングってのは、ゲイがハッテン場で男を探して周遊すること)
何も知らない一般人がいきなり見ちゃうと「やっぱりゲイ、変態すぎ。ムリ。」って思わなかったのかな。ちょっと心配。

あと意味不明なのが、取調室にいきなり入ってきて張り手を食らわす巨漢の黒人。この人もなぜかケツ割れ一丁なのよ。なんか笑っちゃう。

AIDSの症例が初めて報告されたのが1981年。1980年公開のこの作品は、AIDS禍直前のアメリカのゲイシーンを描いた貴重な記録としての価値はあるかもしれないが、同じフリードキン監督で、ゲイを題材にした作品なら「真夜中のパーティー」の方が断然良い。

余談だが、音楽(演奏)のクレジットの中に、エグベルト・ジスモンチの名前があった。劇中のあのギターサウンドは紛れもなくジスモンチのものだったよ。
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