ヨミ

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のヨミのネタバレレビュー・内容・結末

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんかもうすごいしかないよね。
つーかすごいのはわかりきっているので(なにしろ90年代アニメーション最大の作品のひとつなので)、何が言えるだろうと思って観ていた。昔観たときとずいぶん印象が違ったんだけど、なんでなんだろう。『イノセンス』のが好きだからとかかな。
4Kリマスターについては結構限界が見えるなあ、という感じ。ノイズもあるし、まあ昔のアニメだね、綺麗だけど、っていう。
リマスターについて公式を引用してみよう
“公開当時の技術では再現できなかった、35mmフィルムに眠る膨大な情報を引き出し、4Kの高解像度でリマスタリングすることで、描線のタッチや背景の細部、暗いシーンでの色彩表現に至るまで、より鮮やかな映像として蘇った。”
意味がわからん。35mmフィルムに対してどういう処理をしたんだ。再撮影したのか? 何をマスターにしたのか? リスキャン? 修正はかけたの? どこから4K処理をしたの? つーかもう発売してるUHD版と別マスターなの? オタクはそういうところが気になるのです。

さて、本作を現在観るときに、当然考えねばならないのは「いま『攻殻機動隊』を観ることがどういう位置にあるか」ということだろう。「自分が自分であるために必要なものは驚くほど多い。そこにネットの痕跡も含まれる」という草薙素子。氾濫するキャッシュとcookie(そしてcookieの終焉)、エコーチャンバー的な分断をもたらす検索結果とSNS。大きなうねりに見える政治主張が元を辿れば数個のアカウントでしかない、というそれら括弧付きの「情報社会」を90年代のテクノロジー物語を通してどう考え得るか。我々はインターネット上に存在していると言えるのか? 痕跡を残す、幽霊と何も変わらず、隣のアカウントをリツイートしていくまさに異口同音の連鎖に「自分」はいるか? “企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなるほど、情報化されていない”我々の社会で。
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