生命はどこか
【この作品は永遠である】
荒廃した未来像と、電子の奥底で燻る魂への哲学、あまりに鋭い世界観は到底90年代の作品とは思えない。令和に生きる若人が、この作品が語る未来のビジョンにいとも容易く飲み込まれてしまった。
攻殻機動隊自体はテレビアニメ版を多少観てはいたが、そちらは満足できるものではなかった。というのも社会的なテーマに焦点をあてているのは分かったのだが、どのエピソードも安っぽくて人気を得ている所以が分からなかった。ってか少佐がビッチっぽくて圧倒的に好きじゃなかった。
しかしこちらは原作に沿っていることもあって、少佐の官能的なビジュアルの紐付けはもちろん、世界観の厚みとそこに組み込まれているロマンに鮮烈さがあった。テレビ版への不満がこの作品で解消されたようでスッキリ。
【ロリ少佐をすこるまとめ】
戦車の入り口をこじ開けるシーンが1番好き、呼吸を戸惑うくらいに美しかった。この作品の造形の奥に燻る暗闇・不安に、ずっと釘付けであった。そしてそれは、電子化する近未来への疑問提起であり、素晴らしい美しさとともに我々に語りかけてくる。広大なネットの世界と技術革新の中にあって我々は己をいかに定義するのか。
「マトリックス」やキャメロンにも影響を与えているのがよく分かります。