エイデン

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のエイデンのレビュー・感想・評価

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
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2029年
科学技術が飛躍的に向上し、脳神経にデバイスを直接接続しネット上にアクセスできる“電脳化”や、身体を“義体”と呼ばれる機械に置き換えるサイボーグ技術が普及した近未来
内務省直属の対テロ特殊組織“公安9課”は、“ガベル共和国”の外交官が優秀なプログラマーである台田を誘拐に近い形で自国へ亡命させようとしているという情報を掴む
6課部長の中村が実働部隊を率いてその現場を押さえようと乗り込むも、外交官特権を振りかざされ、手出しができずにいた
それを予期していた9課部長の荒巻の指示を受けた9課の現場指揮官 草薙素子は、光学迷彩を用いてその現場を急襲し、外交官を暗殺し事件の幕引きを行う
後日 9課は個人の電脳を乗っ取る“ゴーストハック”の被害に遭った女性を保護する
その女性は外務大臣の通訳で、犯人は開催予定だった外務大臣とガベル共和国との秘密会議を妨害する予定だったと推察された
革命で新政府に代わったガベル共和国は、かつての軍事政権の指導者で現在 亡命を希望して日本にいるマレス大佐の身柄引き渡しを要請しており、それを邪魔したい何者かがハッカーを雇ったのだ
またそのハッカーは、国際指名手配されている正体不明の人物で、不特定多数の人間をゴーストハックして操る手口から“人形使い”と呼ばれていた
荒巻は人形使いが女性通訳をゴーストハックするまでの2時間の間に逆探知を行い、人形使いを捕らえるよう9課に命令を下す
その現場へと急行したバトーとイシカワだったが、犯人は次々と居場所を変えながらゴーストハックを実行
現場に居合わせた人物から、犯人が清掃車に乗りゴミの回収のため巡回を行いながら各所の電話ボックスからゴーストハックをしていると推理する
少佐は警察から引き抜いた新人トグサと共に回収車を追い、実行犯とその背後にいた謎の男を逮捕するが、2人はいずれもゴーストハックにより人形使いに操られていた捨て駒だと判明
暗躍を続ける人形使いを追い、少佐ら9課のメンバーは更に事件の奥深くへと迫るが・・・



士郎政宗原作の同名漫画を原作にしたSFアニメ映画

原作から多くの脚色も行われ、シリアスなハードSFに仕上がってる
電脳、サイボーグといったサイバネティクス技術が一般化したサイバーパンク世界を舞台に、電脳犯罪に立ち向かう重くシリアスなストーリーが展開される

それ自体は本格刑事アクションといった風であるものの、SF要素が見事に絡み合っているのが面白い
特に有機体たる人間と無機物である義体、そして累積した情報という点で自意識とデータのの違いは何か
テセウスの船は乗り手の記憶や経験に基づく同一性が論じられるけど、人間を人間たらしめるもの、自分を自分たらしめるものは何か
そうした人間の本質を問うテーマ性は非常に深い

アニメ映画と侮れない硬派なSF作品
ハリウッド映画『マトリックス』シリーズの発想にも繋がるなど、メディアを超え数あるSF作品の中でもかなり秀逸な出来となっている
ガンアクションはじめ作画の作り込みも気合が入っていて、エンタメ性も高い
総じて難解ながら傑作の部類だと思ってるので観ましょう
続編『イノセンス』やパラレルワールドを描くアニメシリーズ、全然雰囲気違くてビックリする漫画版もオススメ
実写映画版はアレなので大丈夫です
エイデン

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