shxtpie

名探偵ホームズ2 海底の財宝の巻のshxtpieのレビュー・感想・評価

-
『青い紅玉の巻』について書いたとおり、『風の谷のナウシカ』と併映された『名探偵ホームズ』の一編『海底の財宝の巻』。劇場ではまとめて上映された作品なので、Filmarksで作品を分けて登録されている意味はあんまりないと思うのだけれど……。

『海底の財宝』より『青い紅玉』の方が好きだとは書いたものの、こちらも見ごたえはある。海底世界でのアクション、戦艦、潜水艦(潜航艇)、砲撃戦、飛行船、帆船……と、宮崎駿がやりたいことをなんでもかんでもつっこんだような、ドタバタとした忙しなさと楽しさで、戦艦のデザインなどは宮崎印。戦艦が沈んでいくくだりの、わらわらとした群衆の描きかたは、群像の迫力とデフォルメ感が素晴らしい。

DVDの映像特典のテレコムのスタッフによる座談会で語られているとおり、『ホームズ』は「宮崎駿が一番のびのびしている最後の作品」「軽い作品」「粗野ではあるけど、活気がある」ものだと思う。予算や締め切り、手間を度外視し、動画の枚数を8,000枚ほど注ぎこんだ(!)という破格の、そして遊び心に満ちたこのアニーション、冒険活劇漫画映画は、スタッフたちの青春そのものだったのではないだろうか。

ちなみに、私が見たDVDは2002年版で、画面の下や左端に撮影やデジタル化をミスったと思われる変な帯が現れる箇所が多い。
shxtpie

shxtpie