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絞死刑の一のレビュー・感想・評価

絞死刑(1968年製作の映画)
4.2
大島渚監督作品

1958年に起きた小松川女子高校生殺人事件を題材に、死刑制度や在日朝鮮人間題などを追及した異色の社会劇

だめだあまりにも面白すぎる…
これ普通にブラックコメディとして観て良いんですよね

冒頭の死刑執行場の紹介から死刑失敗の流れ、そしてその後の展開までもがおもしろおかしく描かれており、とにかく死刑囚を取り巻く周りの人間が再現する様子が滑稽過ぎて、どうしようもなく笑いが込み上げてくる
特に教誨師の流が最高におもしろくてクソほどツボに入ってしまった

とはいえ、きちんと社会派路線の重たい作品でもあり、タブー視されがちなテーマをがっつりと絡め、事件の悲惨さだけでなく、差別問題にも触れられており、日本社会全体の問題点が徐々に焙り出されてくる脚本の秀逸さ
そんな強烈なメッセージ性を兼ね備えた構成力で、死刑制度というデリケートで取っ付きにくいテーマを、見事にエンターテイメントへと昇華しているのが本当に凄すぎる傑作

〈 Rotten Tomatoes 🍅※83% 🍿89% 〉
〈 IMDb 7.6 / Metascore - / Letterboxd 4.0 〉

2021 自宅鑑賞 No.326
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