けいと

絞死刑のけいとのネタバレレビュー・内容・結末

絞死刑(1968年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

相変わらず理解が追いついてないけど凄い映画だった
「死ななかった死刑囚と死刑を執行するために奮闘する警察」という設定は天才的だと思う。警察が死刑を執行するために右往左往する姿は笑えると同時に悍ましかった。正直前半はキツかったけど、色んな感情を同時に抱かせるような複雑な瞬間がいくつもあって恐ろしい映画だと感じた。
『日本春歌考』と同様に想像と現実が混在する演出が取り入れられていて、想像の中での非倫理的行為に対する是非が問われる部分がとても興味深かった。大島自身がどのように考えていたのかはまだ掴みきれていないのでとても気になる。
2人を強姦して殺した死刑囚を礼賛する映画だったら受け入れられなかった(若干そのように感じられる瞬間はある)けど、なぜ殺したのかという点にも焦点を当てていてその洞察がとても興味深かったし、そのバランス感覚は流石だと感じた。
『日本春歌考』にも登場した朝鮮を巡る思想について大島自身がどのように考えているのかという詳細も気になった。
この映画に登場する思想全てを受け入れることはまだできないけど、強い信念のもとで映画が制作されていることは強く感じたし、その姿勢はとてもカッコいいと思う。
けいと

けいと