安堵霊タラコフスキー

風が踊るの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

風が踊る(1981年製作の映画)
4.0
これまで手をつけていなかった侯孝賢の初期作品にようやく目を通してみたが、初期ならではの趣があって面白かった。

というのも侯孝賢は日本で言うところの小津や清水らしい味のあるイメージだったのだけど、この作品では自然主義が清水的というよりむしろ黒澤明に近いものがあり、彼が影響を受けたという話は聞かないのに黒澤的な撮り方をしていたという事実に侯孝賢の潜在能力を感じずにいられなかった。(でも調べたら彼がオールタイムベストにゴッドファーザーを選んでいたことが判明したから間接的に影響を受けていたことになる)

音楽とか80年代の日本と同じくらいダサいし後の侯孝賢の作品群を思うと軽すぎるきらいもあったけど、映画としては十分出来が良かったし後に台湾を代表する監督の片鱗が見える演出の数々も見応えがあった。