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『風が踊る』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.4
 閑散とした田舎の港町、船やボートは港にくくりつけられ、今日の出航の予定はない。風の強い海岸線をカメラを抱えながら1人の女が、あてもなく歩いている。少し離れたところでは男たちが何やら段取りを打ち合わせながら、「撮影禁止」と書かれた石壁で用を足している。男はそこに急ぎ足で近づいてくる女の姿を見つけ、慌ててスボンを上げる。港町の寂れた歩道には子供達の元気な声が聞こえて来る。道の真ん中に野糞を見つけた男の子たちは、野糞の先に爆竹を差し入れて、大人をからかおうとするが、通りがかったタイミングには爆発してくれない。慌てて野糞の様子を見に行った子供達の顔めがけ、野糞はタイミング悪く爆発する。そこに先ほどの男の「カット」の声が入る。どうやらこれはうらぶれた港町でのCM撮影の様子なのだとわかる。女は小高い丘に佇みながら、海岸線の風景をフレームに収めているが、ふいに上手側からあっという間に馬車が通り過ぎていく。荷台にはハーモニカで物悲しい曲を奏でる1人の男。この光景に釘付けになった女は、無意識に何枚もシャッターを切りながら、一目散に横切る馬車の後ろ姿を追いかける。実に詩的で並外れた導入場面を持つホウ・シャオシェンの2本目の監督作である今作は、処女作『ステキな彼女』同様、当時の国民的人気歌手だった鳳飛飛と鐘鎭濤、それにアンソニー・チェンの三角関係を主軸とした恋愛関係の物語である。

昔懐かしい行商人のキレの良い売り文句、監督であるローザイ(アンソニー・チェン)はその光景をフレームに収めようとするが、先ほど馬車で横切ったハーモニカ吹きの男クー・チンタイ(鐘鎭濤)のカメラ目線が気に障る。それは道路を離れて向かい側に立つヒロインで写真家であるシャオ・シンホエ(鳳飛飛)を一直線に見ているように感じられ、女は視線の行方を気にしている。監督にカメラ目線を注意するように告げられた助監督は、すぐに男の元に警告のために向かうが、その時に初めてクー・チンタイが目が見えないことを知らされるのである。その瞬間、びっくりして狼狽したシャオ・シンホエはクー・チンタイのことをあらためて発見するのである。目が見えない男とカメラマンの女の恋は、現実に見える世界と見えない世界を何度も行き来するかのように魅惑的である。ホウ・シャオシェンお得意の、経済発展目覚ましい台北とそれとは趣を異にする閉鎖的な田舎の港町の対比、田舎町に魅せられた女が交通渋滞激しい台北の街角で見つけたクー・チンタイの姿に、運転していたシャオ・シンホエは思わず走り出し、彼の元へと一目散に駆けよる。横断歩道を渡ろうと手を引っ張るヒロインの姿に、待ったをかける目の見えない男。「新公園で占いをするんだ」と告げた男の困惑に女は頷き、静かな恋が幕を開ける。

そこから先の展開は前作と同じように、危うい三角関係の中を揺らぐ微妙な女心の往来を丁寧に描写する。女がクー・チンタイを被写体に、黙々と撮影に夢中になる横で警察にレッカーされる車のユーモア、目の見えない人たちに読んで聞かせる『カラマーゾフの兄弟』の朗読会におけるしくじりと声の早送りの微笑ましさ、父親の来訪時、女が男の手を引くことを嗜められるが、男が目が見えない人であることを聞いた父親の唐突な驚き、同棲相手の監督との微妙な距離感、思わず顔が綻ぶような電話でのやりとり、途中シンホエが弟の代理教員として鹿谷に赴任する場面では、瑞々しい授業風景や子供達のあどけない言動・表情も見られる。ホウ・シャオシェンは明らかに台湾の移ろいゆく時代の経過を自らのフィルムの中に積極的に収めようとする。だからこそ今、ショットの一つ一つを観ても胸が締め付けられるような錯覚に陥る。『冬冬の夏休み』同様にここでも『仰げば尊し』のメロディが紡がれ、子供達は朗らかに歌う。だがそこに付けられた字幕のフレーズは日本で歌われている『仰げば尊し』とはまったく趣を異にする。これは『仰げば尊し』を元にして、台湾の子供達が身近な食べ物を歌った替え歌なのである。前作同様に、ここでも台湾の外省人だったホウ・シャオシェンの生い立ちが関係している。彼の家族は国民党政府の台湾への移転に伴い、中国大陸から台湾へと渡った外省人であり、本省人ではない。処女作『ステキな彼女』では外省人のヒロインが同じく外省人と結ばれていたが、今作では本省人のヒロインが、外省人を出自に持つ本省人との恋愛結婚に意欲的になる。ステレオタイプな恋愛模様の中に、密かに歴史への眼差しを加えたホウ・シャオシェンの歴史観があまりにも興味深い。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

4.0
「風が踊る」

冒頭、ここは澎湖島。美しい風景の中でロケ撮影をしているクルーたち。そこに盲目の青年が現れる。鹿谷、再会、父の迎え、代用教員、プロポーズ、あとー週間、飛行機での旅立ち。今、三角関係の恋話が始まる…本作は侯孝賢が一九八一年に監督した初期の傑作で、この度台湾映画特集をYouTubeでやることになり、廃盤のDVDボックスを購入して初鑑賞したが素晴らしいの一言だ。本作もデビュー作「ステキな彼女」の主演トリオを再び結集している。台湾の素晴らしい風景の中で展開する鮮やかな恋物語で、台北を始めに鹿谷、 澎湖島などの風光明媚が画面を埋め尽くす。ありきたりな内容ではあるが、仕事と恋人の間で揺れ動く女性の心境を歌と共に映しきった作品である。

侯孝賢変わらずの子供たちを使った場面や田舎街の風景、今回の場合は台詞をなしに音楽だけで物語を運ぶ展開を見せたり、前作同様に軽快な恋喜劇として楽しめる。目が見えない青年が目が見えるようになってからの恋愛の情熱が一人の女性の心を動かしていき、前作同様に意表をつかれるような大団円が最高である。

さて、物語はとある海辺の田舎町にCMの撮影で訪れるクルーは、目の見えない青年に出会う。CMの監督と同居しているカメラマンの女性は、その青年に心惹かれるが、やがて角膜移植によって目が見えるようになり、彼女に結婚を申し込む青年と、CM監督との三角関係に悩むことになる…。

本作は冒頭に台湾の音楽と共に、港町(漁村)が描写される。そこにはツバ付き帽子をかぶっている一人の真っ赤な服を着た女性の姿がある。彼女は浜辺から上がってくるクルーたちに何か指示をしているようだ。そしてカメラで何かを撮影する監督らしき男、街の道路で遊ぶ子供たち、何かを爆発させ缶を上に上げている。今度は牛のうんちに何かを押し付けている。そして風の音が強調される中、一人の男性が道路を歩く、そこで爆竹を鳴らすはずだったが不発に終わってしまって青年は過ぎ去っていく。子供たちが確かめに行くとそこで爆発し彼らの顔はうんこだらけになる。

だがそれは実はCM撮影の様子である。監督は爆破が弱かったらしく、全然洋服や顔が汚れていないことに不満のようだ。また牛のうんこが必要になり近所を探して来いとスタッフに言う。スタッフは牛なんかもういませんよと反抗的だ。そしてカットが変わり、牛一頭が平然と歩く荒涼とした野原にやってくる。そこには先程の帽子と赤い服を着た女性の姿もある。スタッフの男は牛のお尻に向かってバケツを置くが牛は逃げてゆく。その滑稽な場面をカメラに撮ろうとする女性、カットは先程の少年たちが撮影している風景と変わる。
そこで監督のカットの言葉が発せられる。ここでもまた洗剤のラベルのことに対して文句を言っているようだ。カメラは女性を捉え続ける。

続いて、街を見下ろすせる建物の屋上にやってきた女性は手にカメラを持ち、先程の青年がハーモニカをひいて牛車の荷台に座っている所を写真に収める。彼女は屋上から降りてその牛車を追っていく。そしてシャッターを切る。どうやらその青年は目が見えないようだ。彼女は不思議に思って立ち止まり青年を眺める。そしてその場を何回か後ろを振り向いて立ち去る。カットが変わり、ビリヤードをしているクルーたちの描写へ変わる。そこのサイドのベンチには盲目の青年の姿もある。彼女はその青年に興味が注がれたらしく、彼を見てみる。そうすると青年が偶然なのか微笑んできて、彼女は顔を少し横へずらす。そして撮影がまた始まる。

リコーダーを吹く青年と何かオークションみたいなものでいらなくなった荷物を売ろうとする男と女性のクロスカットがなされる(この時、青年が吹くリコーダーの笛の音が聞こえる)。そして女性の案で青年をCMに出さないかと言うことになり、監督がそうする。どうやら洗剤のCMを撮っているようで、彼にCMに出てもらい洗剤を宣伝してもらうことになる。撮影の途中でカメラを回してる女性が一瞬彼が画面から消えてしまい驚く。実は彼は段差からボートが止まっているところに落ちてしまい慌ててクルーたちが助けに行く。何とか撮影を終え、そのフィルムを確認するクルーたち。カットは変わり、列車が通るショットを一瞬写し、駅構内にいる女性と監督を映す。そこにアホイと言う男性が5人の子供を連れてやってくる。

自分たちの車に無理矢理詰め込んで駅から離れようとしたが、近くに警察がいたためタクシーを一台呼ぼうと監督が言う。その道中の途中で盲目の青年を見かけた監督が女性に彼がいるよと言う。女性は彼が道路渡れないのを見て、助けようとする。彼は公園に行きたいと言い、公園の出入り口にある牛の銅像の所へ案内する。そして二人は別れる。カットが変わり、子供たちを撮影する場面へと変わる(森の中、愉快な音楽が鳴る)。彼女の名前はシンホイで青年の名前はチンタイである。

そして占いの仕事をしながら稼いでいるチンタイに興味を持った近所の子供たちが本当に目が見えないのと色々と話を聞く。そしてその場にいたシンホイが名前を名乗らず私を占って欲しいと言う。彼は手相を見て昨日公園まで案内してくれた女性だねと言う。彼女は驚いて、なんでわかったのと聞く。君の声と匂いで分かったと言う。彼女は香水なんてつけてないわと言うが、彼は香水じゃなくて自然の匂いでわかると言い、彼女は自分の服をかぎ始める。シンホイは占いは普通夜にみんなやってるけどなんで昼にやるのと聞くと彼は、夜は危ないし昼の方が賑やかで好きだと答える。そして2人は道路を渡り、彼の自宅へと彼女案内する。すると同居している男性がいる。彼女はソファーに座り、青年は父親から届いていた手紙を彼女に読ませる。

続いて、彼女はいつ頃から目が見えないのと彼に聞いて彼は2年前に救急車を運転していて事故を起こしてしまい失明してしまったと言う。彼女は角膜手術などはしないのと聞く。そしてカットは変わり、彼女の職場のシーンへと変わる。そうすると一本の電話がかかってくる。それはチンタイからで、よく電話番号がわかったわねと驚く。そして彼女は普段手紙などを朗読する人が今回来れなかったため、緊急事態と言うことで彼女を助っ人として彼がその目が見えない人たちが集まるコミュニティーに連れてきたのだ。そして朗読をし始める。彼女は分厚い本を見て、多少ズルをしてしまい何ページか飛ばす。だが後にきちんと謝る。

続いて、車を路肩に置いて撮影していたら、監督の車がレッカー車で運ばれてしまいてんやわんやになる。彼女は公衆電話から監督に連絡して、2時から父親を迎えに行かなきゃいけないのに車が無いと言い、慌ててチンタイを連れて駅まで父親を迎えに行く。そして父親は女が男の手を引っ張るなんてみっともないぞと言う。するとシンホイが彼は目が見えないのと教える。そして自宅に父親を招く。そこに監督がやってきてローザイと自己紹介する。一方その頃、シンホイとチンタイは病院へ向かい、チンタイの角膜手術をする。

続いて、シンホイと彼女の父と監督のローザイとの3人で食事をしながら父親はお前が選んだ男性なのだからともはや結婚する前提の話が進み、彼女は少し不満そうである。カットが変わり、病院のチンタイが入院している病室へと変わる。彼は目に眼帯をしている。これから徐々に見えてくるのだろう。彼の写っている写真を額縁に入れたのを彼にプレゼントする。そして鹿谷で翌日待ち合わせしようといい、その場を去る。カットは変わり、台湾の歌謡曲が流れてバスから降りてきたシンホイ、田舎町を歩き目的地へ向かう。

彼女は弟が学校の教師をやっており、正月まで出かけなくてはならなくなり、代わりに彼女がクラスの担任を受け持つことになる。学校で生徒たちに自己紹介して、生徒たちは弟の(教師)に色々と最後に質問する。そしてカメラは道路沿いで遊ぶ子供たちをとらえる。カットは変わり、チンタイの住む家がへ。そして同居している男性と彼女についての話をする。彼は彼女のことをまだ見たことがなく、どんな顔付なのか同居の男性に聞いて、それをスケッチする。

続いて、学校の描写へ。シンホイが子供たちと校庭の壁に絵を描いてるところ、手紙が届いているぞと教員に渡される。その教員は標語を書くように言われたのではないのかと聞かれ、校長が怒るかもしれないぞと促される。そこへ校長がやってきて、壁に絵を描いたことに勝手なことしないでと叱られる。そして先ほどもらった手紙の中身を見ると彼女の似顔絵があり、自分に似ていないのに笑ってしまい、校長が何がおかしいのですかと聞かれ、その似顔絵を校長に見せるとちっとも似てないじゃないのと言う。そして待ち合わせ場所にやってきた2人は再会する。そして雨の中傘をさし(相合い傘)田舎街を歩く。

続いて、彼女の自宅につき、彼を父親と母親に紹介する。母親はあの人が香港の恋人なのと聞かれ、違うわよと言う。ただの友達が家に泊まるのと母親はあまり賛成していないようだ。この時点ではまだ二人は付き合っておらず、友達の関係でいる。そして台湾の音楽が流れる中、町の子供たちと鬼ごっこをするチンタイ。そして田舎町を歩いている最中に、彼が突如彼女にプロポーズをする(入れ歯の話を通して)。そして仰げば尊し(替え歌になっているようだが)を彼女がピアノで弾きながら、生徒たちが合唱する。そして子供たちと自分たちで描いた絵の壁を背景に写真撮影をする。


続いて、シンホイが台北と帰る。そして自宅に着いて早速彼に電話をする。変なおもちゃの人形の笑い声で最初受話器を通し、彼は誰だふざけるなところがその後に彼女が自分の名前を名乗って2人は楽しげに話す。そして明朝、彼がランニング姿で彼女の家に寄り、外で大声を出し彼女の名前を叫ぶ。それに目覚めた彼女はベランダで彼を覗く。目と目があって微笑む二人は食事をしに行く。やがて物語は帰結へと向かい始めていく…と簡単に説明するとこんな感じで、男女の三角関係を描いた最高に素晴らしい映画である。今回初見したのだが、もう大好きになる。特に全編に流れる台湾の歌謡曲がノスタルジックで本当に素敵である。この作品のサントラまじであったら購入したい位だ。

あの静止画で終わるラスト、たまらなく好きだ。こんな作品がレンタルもされておらず、配信もないなんて本当に驚いてしまう。そもそも候孝賢監督の「戯夢人生」なんてVHSのまんまだし、どうかしてる。この「風が踊る」は冒頭のシーンから虜になる。まず海辺の素晴らしい風景とともに素朴な漁師たちの画、石を積み上げた家と小さな漁船が遠くの砂浜で見られる。後に台北のような大都市の喧騒が写し出されるが、ここは静寂なひとときを過ごすにはとても良い場所である。

この澎湖島は、侯孝賢が後に監督した「 風櫃の少年」の舞台ともなっている。やはりこの作品を見てもそうだが、美しい風景をフレームにする監督の特徴の一つであるどってことないような場所(観光地でもなければ近代的な場所でもなく)をフレームの中に取り入れているのは、この時からうかがえる。要するに生活感のあるところを選んで撮影しているように見受けられるのだが、それが候孝賢監督の素晴らしい所であり、環境問題の関心が高く、土地や風景を非常に重視する人だなと思わされるところである。

どうだろうか、候孝賢監督と言えばまず思い浮かぶのが、ロングショットでとらえる子供たち、大きなシンボリックな木々、風を強調した描写、田舎町、ローカル線、列車、線路、学校の校舎、仰げば尊し、授業風景、夏、屋台などがある。そういった後の監督の代名詞とも言うべき要素がこの時から多くあることを今回初見したこの作品を見て思った。彼が撮るロングショットで広々と捉える空間は居心地が良い。

まだこの領域は不勉強であまり多くは語れないが、候孝賢作品を見ていると、本省人と外省人を区別して描いているように感じる。前作の終わり方を見てもわかるし、今回のカメラマンの女性の家族を見ると本省人家庭の娘なんだなと言うのもわかる。確か二・二・八事件以来、両者の仲は微妙になっていたし、それらをうまく工面しているようにも見える。まぁ、ここら辺は自分もまだ不勉強なのでよく分からないからこの辺にしておく。特に台湾語や北京語などのイントネーションや意味合いを知るとさらに映画を深めることができるだろうなと言うのはわかる。だが残念ながら言葉が分からないので…



この映画で面白いと思ったところは、目の見えない団体のコミュニティにやってきて朗読を頼まれてて彼女が何ページか先に飛ばし朗読をしたり、その場面を超高速撮影の変な声になる演出と彼女がきちんとズルしたことを謝る場面はほっこりする。そして田舎の風変わりなコンクリートでできた洞窟のような場面での鬼ごっこで、彼女と彼が戯れる場面もすごく好きで、その後にプロポーズされる田舎町のフレームの原風景の美しさったら半端ない。とっても綺麗だ。遠くから上がる煙がまたたまらない。一瞬映るSEIKOの時計も魅力的だ。

変わらず、ギャグをぶちこみ、ユーモアのセンスが抜群の作品で、本当に見る者をほっこりさせるラブロマンスコメディーである。こういった作品はもう二度と作る事は不可能だろう。ほんとに古き良き時代だったと思うよ。自分が生まれてくる時代を間違えたとつくづく思わされる。あぁ傑作だ。
これまで手をつけていなかった侯孝賢の初期作品にようやく目を通してみたが、初期ならではの趣があって面白かった。

というのも侯孝賢は日本で言うところの小津や清水らしい味のあるイメージだったのだけど、この作品では自然主義が清水的というよりむしろ黒澤明に近いものがあり、彼が影響を受けたという話は聞かないのに黒澤的な撮り方をしていたという事実に侯孝賢の潜在能力を感じずにいられなかった。(でも調べたら彼がオールタイムベストにゴッドファーザーを選んでいたことが判明したから間接的に影響を受けていたことになる)

音楽とか80年代の日本と同じくらいダサいし後の侯孝賢の作品群を思うと軽すぎるきらいもあったけど、映画としては十分出来が良かったし後に台湾を代表する監督の片鱗が見える演出の数々も見応えがあった。

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