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潜水艦イ-57降伏せずのNowLoadingのレビュー・感想・評価

潜水艦イ-57降伏せず(1959年製作の映画)
4.1
 本日の一本。最後の最後に挟まれるモノローグ「昭和二十年八月五日。翌日、廣島に原子爆弾投下さる」が今にピッタリ。

 潜水艦映画の面白さったらない。普通のやつもあるが、いつ沈むかわからないハラハラ感、ワンショットワンキルの緊張感。ステルス映画は戦争映画は数あれど、太平洋戦争下を舞台にした作品でこうした作風のモノは珍しい。

 今昔の違いあれど、敵に見つかってはならない隠密行動が潜水艦の必須項目なので、スクリューを止めて無音潜航なんかは今でも現役バリバリの表現だ。モノクロでも潜水艦は殺風景なのでなんも違和感全くなし。

 海の底で命令を受け入れるか、それとも反目するかの閉鎖的空間ならではの極限状態に放り込まれる。この緊迫感と男たちのドラマが観客にも伝心する。単純だが明快でわかりやすいストーリーがいい。これぐらいのシンプルさ故の駆け引きが楽しめる。

 特撮も文句のつけようがない。魚雷攻撃を受けて轟沈する駆逐艦、爆雷攻撃を集中的に受けるイー57潜水艦など、見所も最初から最後までたっぷり。

 潜水艦映画にハズレなし。というかこの映画は一歩先を行く娯楽作だと思う。白黒でも現代のカラー映画と全く引けをとらない深海をぜひ探索してみよう。
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