桃子

レディホークの桃子のレビュー・感想・評価

レディホーク(1985年製作の映画)
5.0
「鳥はいいかもしれない」

あまりに好きすぎてDVDだったかVHSテープを購入した覚えがある。主演が大ファンであるルトガー・ハウアーだったこと、子供のころから変身譚が好きだったことなど、いくつかの理由がある。変身譚が好きになったきっかけは手塚治虫の「リボンの騎士」だった。サファイア王子が白鳥に変身するシーンは、子供心に心臓がばくばくしたものだ。
この映画は、嫉妬にかられた邪悪な司祭によってカップルが呪いにかけられてしまうという物語である。ハウアー演じるエティエンヌは、昼間は人間で夜はオオカミに、恋人のイザボーは昼間は鷹で夜に人間に戻る。つまり、恋人同士なのに人間として愛し合えないようにされてしまったのである。ミシェル・ファイファーが鷹姫を演じていて、それが映画のタイトルにもなっている。
ふたりの意思伝達係として登場するのがコソ泥のガストン。マシュー・ブロデリックが演じている。狂言回し的な存在ともいえる。恋人同士のふたりを助ける役でもあるので、大好きなキャラクターだ。
あともうひとりの重要な役どころは、修道士のインペリアス。エティエンヌとイザボーが呪われてしまう原因を作ってしまったので、なんとか挽回したいと思っている。レオ・マッカーンが演じていて、とてもはまっていた。
最高に盛り上がるのは、エティエンヌと大司教の一騎打ちの場面である。大聖堂の中なので、戦いのシーンなのに荘厳な雰囲気だ。正面の円形の大窓が印象的で、巻き戻して何度でも見たくなってしまう。大好きなクラッシックバレエの演目で言うと「白鳥の湖」のラストシーン、ジークフリート王子が悪魔ロットバルトに戦いを挑んでやっつける、あんな感じだ。呪いをかけた張本人を倒せば、呪いは解ける。そしてラストは人間と人間になった恋人同士が抱きあいキスをして、めでたしめでたし。なんて素敵なファンタジーなんだろう(^^) レンタルではなく購入したくらい好きな映画なので、点数は甘くなっているのであしからず。
「ロブスター」を見たとき、もし動物に変身させられるなら何がいいか?という台詞が出てきた。私だったらなんと答えるだろう?鳥はいいかもしれない。鷲とか鷹になって、高い空を自由に飛ぶのは爽快だろうなあ…
桃子

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