ちどりん

グエムル -漢江の怪物-のちどりんのレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
3.9
途中何度もグロいシーンもあり、魚と爬虫類を足して巨大化させたような怪物はCG丸出しだったが、ドキドキハラハラしてパニック映画としても楽しめた。
パニック映画としてだけ見るならこのスコアも納得だが、ただのパニック映画ではなくラストの音楽がこの映画のすべての本質をものがたっているようで哀しく聴こえるのだ。

韓国の映画は格差社会を表現するものが多い。
主人公の家族たちは怪物と共に国をも敵にして戦っていた。
韓国の事情はよくわからないが、怪物も無責任な外国人にばら撒かれたアルムホルテヒトによりできた産物なのでそういうことを表しているのだろう。
小銭をせっせと貯めても持っていかれる様子などとにかく貧しい人たちがたくさん出てくる。

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ここからネタバレ

結局、家族を守るために必死に戦う父の奮闘も虚しく最愛の娘を失うが、娘にゆかりのある孤児を引きとってご飯をたらふく食べさせているラストシーンにはジーンときた。
国ではなく貧しいもの同士が助け合って生きていくというなんともシュールな映像は韓国ならではのような気がする。
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