Kensho

グエムル -漢江の怪物-のKenshoのレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
4.5
最高。

特に漢江のわきを走ってる時の引きの移動ショットがいくつかあるけど、レンズ感とか完璧すぎる。ライカートとかにすごく感覚が似てる。

それから演出もあまりにもうますぎる。常に宙吊りにされてる感じがあって、でも平気で正面ショットをバンバン繋いだり、それが嫌な感じに見えないのが凄い。

とてつもないシネフィルが撮った至極のエンターテイメントって感じで、後期のポン・ジュノに通ずるエッセンスが既にこの時には完成してる、怖い、あらゆるショットが気持ちよすぎる。

あと、ソン・ガンホ演じる主人公の狂気の形が特殊すぎる。エンターテイメントなんだけど、それがフロイト的な意識の領域まで至ってる感じ。特にラストとか最高。

あと、これだけパニック系映画の系譜にあるのに、暗にアメリカの世界の警察的なものに対する批判とか現代社会が見えてくるところとか、スピルバーグの『宇宙戦争』の社会性を強くしたみたいな傑作。
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