はやし

グエムル -漢江の怪物-のはやしのネタバレレビュー・内容・結末

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白い。最高。

怪物を映さずに怪物の恐さを描く、『ジュラシック・パーク』を彷彿とさせる演出に脱帽。
コンテナの使い方がめちゃくちゃ良い。あのシーンだけでこの映画めっちゃ好きってなった。

恐怖の中で所々に笑い所を設けてくれるポン・ジュノ節は凄くツボなので大好き。
ヒョンソの死に対する家族の悲しみ方がとんでもないシーンとか、お父さんによるカンドゥは子供の頃のタンパク質不足でいつも寝てばかりという説明に寝落ちする妹と弟とか。
銃が弾切れしててお父さんやられるところとか、ナミル最後の瓶投げるの下手すぎるのも面白かった。
アメリカ批判的な意図もあるらしいが、アメリカ軍がダメダメすぎるのも面白い。no virusがすぐにカンドゥにバレるの呆気なさすぎて面白かった。カンドゥが看護師を人質に逃げると、こんな緊急事態にも関わらず外で呑気にバーベキューしてるのもアホすぎて良い。
ナムジュがアーチェリー選手だからって1人だけ銃じゃなくて弓矢で戦ってるのずっと面白かった。このアーチェリー選手の設定がとんでもなく輝くのが最後の怪物との戦いシーン。ナミルが火炎瓶投げをしくじって、何やってんだよ!と思ったところにナムジュ登場。炎の矢で怪物にトドメを刺すシーン笑ってしまうくらいにカッコよかった。

最初の2分間くらいの「ホルムアルデヒドが......」のシーンだけでもう怪物ができた経緯とか、怪物が持つ社会に対するメッセージ性とか、流石にわかる。細かいところ省いて潔く直ぐに怪物登場させてくれるのが良かったし、そのまま適度に恐怖と笑いを織り交ぜながら最高のエンタメを提供し続けてくれて良かった。せっかく上質なパニックと上質なコメディを楽しんでいるのに、経緯説明、原因解明みたいな真面目な話を長々とされても困るよーってならない。
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