パニック・サスペンスの娯楽映画と勘違いしていたから驚きました。 極めて政治的な映画。
人物設定が丁寧。貧困に苦しむ兄弟、ホームレス、脇役の設定も手を抜いていない。とにかく、登場人物が「ダメ」な人間ばかりなんですよね。近代合理主義社会から切り捨てられてきた受難者たちがグエムルに立ち向かう。ヒョンソが命を賭けて守った少年セジュが、カンドゥと一緒に生活を送ることになる、という結末には、ポン・ジュノ監督の切実な祈りが感じられる。
韓国も日本と政治的状況が似ていますね。ゴジラもグエムルも必然的な結果として誕生した怪物。我々は生き残ることができるだろうか。
【メモ】
ヒョンソが出現して、家族で食事をするシーン、イエロー・エージェントの霧の中で倒れていくデモ隊。おなら。親父がカンドゥを擁護するシーン。
おそらく、ネーミングにも仕掛けあり。
「民主化のために尽くしたのに誰も雇ってくれない」