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グエムル -漢江の怪物-のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
2.8
序盤から出し惜しみ無く登場させてしまうところが新鮮。あっという間に河から上がってきて河辺にいた人達へ補食開始した辺りが素早い展開。
両生類っぽい造形に妙にキモい愛嬌がある怪物(但し狂暴)

この怪物に娘ヒョンソを拐われ父親のカンドゥ、祖父ヒボン、カンドゥの弟ナミル、妹ナムジュが家族一丸で奪還しようと奮闘する話。しかしそもそもカンドゥがボンクラ。他の家族もだだの一般市民なので行動が行き当たりばったり。そこにカンドゥの普段からのボンクラ振りが仇になりヒボンは無駄死。やりきれない。

怪獣パニック物だけど家族の絆を軸に描いて、怪物とそれに絡む背景に政治的な風刺を描いているため、怪獣映画といっても大分ひねくれたものな気がする。

また怪物の設定が不明なためヒョンソの危機的状況が、生存できる確率やタイムリミットが明らかでないので救出へのギリギリ感があまりない(喰われてからはあったけど)
そして怪物を倒したところで爽快感は生まれないし後味は悪い。

ラスト、何かを決意したかのようなしっかりした表情になった元ボンクラ親父に少しだけほっとしたけど、彼女の姿がなかったことがとても残念だった。