荊冠

グエムル -漢江の怪物-の荊冠のレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
3.0
ゴジラやガメラ、ウルトラマンといった代表作のある日本と違い、韓国では「怪獣映画」の伝統や人気があまりなく、そこにポン・ジュノがテコ入れの形で世に放った作品。
アメリカ軍が大量のホルムアルデヒドを漢江に流した「龍山基地油流出事件」が下敷きになっている。
作中に登場する「エージェント・イエロー」という化学兵器らアメリカ軍がベトナム戦争で使用した枯葉剤「エージェント・オレンジ」の風刺。
怪物とそれを撃退する国家政府という怪物映画にありがちな構図ではなく、むしろ活躍するはずの政府や軍隊は主人公一家を追い回し妨害する立場として描かれており、政権やアメリカへの批判精神に満ちた作品である。
怪物に攫われた娘を追う主人公・カンドゥは、『パラサイト』では父親役を演じていた、韓国の国民的俳優ソン・ガンホ。
荊冠

荊冠