ちろる

ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォーのちろるのレビュー・感想・評価

3.7
1950年代の終わりにフランスで始まった映画革命ヌーヴェル・ヴァーグが始まった。
この頃フランソワ・トリュフォーとジャン=リュック・ゴダールの伝説的監督が生まれた。
正反対の人生を歩んできた2人が、互いに尊敬、刺激しながらもヌーヴェル・ヴァーグを盛り上げ、そして結果的になぜ決別することになったのか?を作品や時代と共に綴るドキュメンタリー。
本当に膨大な映像資料。
その一つ一つがどのように世間で評価されたのか、そして彼らがそれぞれどのように認知度を上げていったのかが丁寧に描かれている。
むしろ何にも観た事ない人は前知識としてかなり勉強になるかもしれない。
元々すごく詳しい訳ではないし、すべての作品が好きな訳ではないけど、これを観て、2人の生い立ちやキャラクターの違いがありありと分かるのがとても面白い。
五月革命の時のカンヌ映画祭を期に左翼思想に傾くゴダールと、映画愛に突き抜けるトリュフォーの思想の違いが明るみとなり、決別を印象付けるあの写真・・・笑
こういうのを見つけて色々推測したり読み解く人が沢山いるってことがもう2人の凄さを物語ってます。

もちろんどちらが良い悪いとかそういう事ではないけど、互いに若い才能で映画界にセンセーションを起こしても、そりゃクリエーターだからいつまでも同じものを見つめて歩数を合わせられるわけじゃない。
2人が互いに背を向けて、歩んだからこそ広がる映画の道筋ができてそれぞれに影響された次の監督たちが生まれて行ったんだろうなと思うと色々と感慨深いです。
ちろる

ちろる