うにたべたい

モスラのうにたべたいのレビュー・感想・評価

モスラ(1996年製作の映画)
2.8
平成モスラシリーズ1作目。
ゴジラのvsシリーズが終了した、ゴジラ休止期間中に平成モスラシリーズは作られました。
過去作のモスラとの繋がりは示唆されておらず、平成モスラはモスラを主役怪獣に据えた一連の別作品と見ていいと思います。

北海道で森林伐採の仕事をしていた「後藤裕一」は、作業中に古い遺跡の一部を掘り返し、そこに埋まっていた封印のメダルを外してしまう。
そのメダルは太古に宇宙から飛来し、地球上を死の惑星に変える寸前で封じられた怪獣"デスギドラ"の封印のため設置されていたが、そうとは知らない裕一は、東京に住む娘にそのメダルをプレゼントしてしまう。
デスギドラの完全復活を食い止めるためメダルの元にインファント島の"エリアス姉妹"が現れるが、同時にそれを阻止する黒い妖精"ベルベラ"が現れる、というストーリーです。

登場怪獣はモスラとデスギドラです。
モスラは、過去モスラと比較するとちょっとおもちゃっぽいというか、ぬいぐるみっぽい感じがしました。
モスラのある意味で荘厳さのようなものは薄れていると感じたものの、基本のデザインは変更されておらず、モスラは変わらずモスラでした。
デスギドラも、名前こそ太古に封印されたにしては中二病芳しいですが、平成のこの頃の怪獣にしては良デザインです。
黒いキングギドラみたいな姿形で、翼、しっぽがあるのですが妙な装飾はなく、威圧感を感じました。
なお、本作は怪獣のバトルシーンに割合が大きく 、序盤以外はほぼバトルだったんじゃないかと思うほどでした。
巨大怪獣が殴り合うのは好きなのですが、本作のバトルは遠隔攻撃の押収となるため、正直なところ見ていて退屈を感じたのは残念なところです。

善と悪が明確に別れていて、ストーリー展開はわかりやすいです。
バトルフィールドも街中ではなく北海道の森のため人死にが出ている雰囲気もなく、また、善の妖精と悪の妖精が競い合う描写があり、SF的考察だったりが排除されています。
ジャンルとしてファンタジーに近いものを感じました。
自然保護を訴えるテーマもストレートにわかりやすくなっており、主人公格に子供が起用されていることもあって、子供向けの内容だと思います。
一方で、ストーリー展開にひねりが無く、この内容で100分は長く感じました。
面白かったかというと微妙なところですが、東宝怪獣の一時代を築いたモスラシリーズは、それだけで見る価値はあるのではと思います。