【何故かやりたくなるプラトーンのポーズ】
8月なので戦争について考えようと(太平洋戦争ではありませんが)鑑賞。
ベトナム戦争を描いているというよりも、戦争という極限状態での人間のあり方を描いている。特にベトナム戦争が過酷な戦いだったという事なのかも知れないが。
恵まれない境遇の若者がベトナム戦争で不当な扱いを受けている。自分と同じ年代の青年がそのように扱われている事に憤りを感じたクリスは自ら志願してベトナムに赴く。しかしそこは想像以上に過酷で狂った世界だった。
これほどの極限状態でも正当で常識的な判断を保つエリアス軍曹。逆に、戦う為には情け容赦も無く倫理観のカケラも持ち合わせていないバーンズ軍曹。バーンズにとっては正義感の強いエリアスは目障りな存在。そして戦争という異常な状況下で事件が起こる。
昔観た時は、この典型的な正義と悪に揺さぶられ、悪に対して強烈な憤りを感じた。
今観ると、当然同じように感じたのだが、あまりにも救いようのない悪人を描いているという点で、これは戦争が巻き起こした悲劇なのか?と感じた。
極限状態がバーンズのような人間を作ったのだろうか?いやいや、バーンズ軍曹は元々ヤバイ奴だったのでは?という事。
しかし、結局主人公であるクリスが取った行動は戦争がもたらした。常識のある自分でもクリスと同じ行動を取ったかもしれない、と思わせるのが戦争の怖さである。
「戦争」って何の恨みもない人を大量に殺す事。そして沢山殺した人が褒められる。こんなとんでもない状況って他に無いよな。そりゃ平常心など保てるわけがない。
「戦争」について考えさせられる作品である事は間違いない。