とくとみろか

プラトーンのとくとみろかのレビュー・感想・評価

プラトーン(1986年製作の映画)
4.0
ひとこと
ジャンキーの王様(イバラの棍棒所持)がお気に入り

あらすじ
貧しい人が国のために戦っている、それでいいのか?そんな思いから、大学を中退し、エリートの道を捨ててベトナム戦争へ志願した主人公。しかし戦場は、彼が考えていたほど生ぬるくはなかった

感想
有名どころながら、初めて視聴。

ベトナム戦争はゲリラ戦にすごく手こずったと世界史で習ったけど、ねっとりした熱帯の戦場の気怠さがうまく演出されていて(藪で前に進めない、アリンコがたかってくる、一晩中降り続く雨など)、こういうことだったのか‥‥と納得。
夏のNHKスペシャルでやっていた、太平洋戦争の南方戦線で苦戦した日本軍のドキュメンタリーとシンクロした。こっちの方がもっと悲惨そうだったけど。。

黒人兵士が、どうせ俺らもどさくさで殺されるんだぜ!的な事言ってたのも興味深かった。そういう時代だったってことなんだろうか。

この映画のテーマの1つ、善と悪は2人の上官を通して描かれる。
勝利の為なら疑わしい民間人も平気でぶっ殺す上官、それは違うと考える上官。

主人公は民間人を巻き添えにしない方の上官を支持するスタンスだけど、仲間を惨たらしく殺された直後ゲリラ潜伏村に入った時には、主人公も感情に任せて民間人をどついたりしている。どつかれたベトナム人の側には泣き崩れるおばあちゃんの姿。
主人公がおばあちゃんに宛てた手紙を読む独白がちょいちょい入ることから主人公はおばあちゃん子だと思われるが、敵側の人種というだけでベトナムおばあちゃんの悲しむ姿にもまったく同情する様子はない。うまく言えないけど、完全に善の人間はおらず、心の中には誰でも2人の上官(善悪の象徴)がいて、戦争っていう非日常においては善がマヒりがち。そういう状況でもいかに自分を保てるか?ということなのかな。

あと、戦争映画って人がいっぱい出てくるやつだと全然人を覚えられなかったりするが(みんな同じ格好してるし)、この映画ではその他モブにもそれぞれキャラ付がしっかりされていて、あいつ助かったんだ、よかった〜ってうまく感情移入できた。
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