イペー

わが青春のマリアンヌのイペーのレビュー・感想・評価

わが青春のマリアンヌ(1955年製作の映画)
3.6
謎の美女マリアンヌを中心に、少年期特有の甘苦い青春を幻想的なムードで描いた、フランス・ドイツ合作映画。

遥か遠いアルゼンチンからやって来たヴィンセント、この世ならざる雰囲気を持った幻の女性マリアンヌ。この二人に託して、"ここではない何処か"に対する憧憬の想いを写し取った作品と言えるかもしれません。
マリアンヌの姿を見る事が出来るのは、ヴィンセントと観客だけ。マリアンヌは確かに凄い美人さんなんですが、いっそ、観客にもマリアンヌの姿を見せなかったらどうかな、と思ったりしました。
ミステリー色が強まり過ぎて別物になっちゃうか…。
現実と空想の狭間にフェードアウトしていくヴィンセントと、物語の語り手であるマンフレッドの会話が、ラストに切なくも爽やかな余韻を残します。うん、やっぱり青春映画だな。もっと若い頃に観ておくべきだったな。

求めても得られないものに、ジタバタしてた様な時代もあったなぁ、と遠い目。
いや、今も手に入らないものばっかりじゃないの…キミ…。
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