ウシュアイア

てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜のウシュアイアのレビュー・感想・評価

3.2
[あらすじ]
子どもころから海が大好きだった健司は、幼なじみの由莉を追っかけて名古屋へ行った末、結婚すべく二人で沖縄に戻ってくる。

それまで何をやってもうまくいかなかった健司は、借金を背負っていたものの、由莉のために一生懸命働き、自分が経営していた店も軌道に乗る。子どもができた健司は、今はほとんど死に絶えてしまった自分たちが見た沖縄のサンゴを子どもたちに見せてあげたい、という思いから、突然、自分の店を畳み、サンゴの再生に乗り出すのであった。

ところが、そんな健司の前には、縄張り意識の強い漁協組合、リゾート開発推進派などが立ちはだかり、サンゴの移植が思うように進まないのであった。


初めて沖縄に行った際に、グラスボートに乗ったのだが、白くてきれいという人もいたが、そこは白化サンゴが広がる海の砂漠であった。沖縄=サンゴのイメージを抱いていただけにショックだった。

そんな沖縄のサンゴの再生を目指し、移植事業を手掛けている人がいる、という話は結構有名だったので聞いてはいた・・・

あらすじ読んでわかるように、ベタな話。
実話ベースということで、主人公の健司のモデルとなった人物はいるのは確かだが、沖縄の海を愛する愚直な男であるのは分かるのだが、この作品で描かれているほどビンボーでお人よしな人なのかは不明。キャラがベタ過ぎて、ウソっぽい。

さらに、主人公とその妻を、ナイナイの岡村と松雪泰子が演じたのだが、これもよくいえばハマりすぎ、悪く言えばベタ過ぎる上に、二人揃ってネイティブなウチナーグチスピーカーじゃないから、ウソっぽい。

ちょっと興味深いのは、やはり沖縄に住む人達の中には開発による経済の潤いと自然環境保護を天秤にかけざるを得ない人たちがいるということ。みんな沖縄のきれいな海を守りたいに決まっているが、沖縄の人たちの暮らしを考えずによその人間が開発はよくない、というのはただのエゴである。基地問題も似ている。

そして、環境利権を利用す輩もいる。この映画を観ていても、サンゴの問題は自然環境保護だけでは済まないということもよくわかる。

(2011年3月30日 DVD)
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